SPORTS TOPICS 【後編】年間1000試合を観る男!藤枝MYFC・龍岡TDが教える「サッカーにハマれる観戦術」 2015.11.12

【サッカー観戦を楽しむための5つのアドバイス】

1 気になる選手、好きな選手を見つけよう!
まずは、好きな選手を作ること。先に好きなチームがあるのならば、その中でもお気に入りの選手を見つけましょう。
好きになる理由は「イケメンだから」とか「見た目や名前がおもしろい」とかでもOK。お気に入りの選手を中心に観れば、サッカーを詳しく知らなくても、いろいろと楽しむことができます。双眼鏡で1人の選手だけをずっと追いかけるのもアリです。
すると、そのうちに「あ、この選手はボールを持っていないときは、こんな動きをするんだ」とか「あの選手とよく呼吸が合っているな」など、いろいろなことに気がついて、サッカーが次第に「観えて」きます。

 

2 妄想を膨らませよう!
サッカーはピッチ上に22人いて、それぞれの選手がボールと関係ないところでも様々なアクションを起こしているので、観る側にとっては非常に情報量の多いスポーツです。だから「難しい」と感じてしまう人がいても当然。
そこで、初心者は逆に好きな選手に的を絞って観戦した方が、分かりやすくなるのです。
このことを心がけると、ピッチ上にドラマが広がっていることが分かってきます。選手同士のピッチ上での会話や言い合い、あうんの呼吸……そこから「あの2人はピッチ外でも仲良しなのかな?」、「どんな会話をしているのかな?」などと勝手に妄想を広げてみましょう。

すると、次第に好きな選手を取り巻く人間関係や、他の選手のキャラクターが自然に覚えられる様になっていきます。最初は個人だけを観ていたのが、徐々にコンビ、チーム、リーグと視野が広がっていきます。初めから大きな視点で、漫然とボールの動きを追いかけているよりも、むしろ偏った見方をする方が、サッカーの面白さや奥深さが分かってくるのです。

 


選手たちに戦術を伝えるMYFCの大石篤人監督。チームスタイルの確立を目指し、技術・体力・メンタル・戦術とあらゆる面で選手たちを鍛え上げている
 

3 人と感想が違っても気にしない!
サッカーはピッチ上のあちらこちらで、いろいろなことが起こるスポーツなので、その全部を把握できる人はプロの解説者でもいません。注目するポイントも人によって異なるので、人によって感じることが違うのも当たり前。だから、他人と感想が違っても、まったく気にする必要はありません。初心者だって「この選手に限っては、自分は解説者よりもよく観ているよ!」と、自信を持って言っても大丈夫です。
サッカーは多様性に満ちたスポーツです。ヨーロッパのリーグのスタンドを観ていると、走るどころか階段を昇るのも大変そうなおじさんが、プロのアスリートのプレーに文句を言っています。実に堂々としたものです。お金を払って試合を観ている人には、好き勝手なことを言う特権があるのです。そこにクラブへの愛さえあれば。

プレーや練習の合間に選手たちが活発に話し合っていることも、MYFCの大きな特徴。監督に言われた通りに動くのではなく、
選手たち自身で考え、自分たちで判断することが重視されていて、その方針がチーム内にも定着している

 

4 観戦仲間を作ろう!
初心者は、初めは誰かにスタジアムに連れていってもらうことが多いでしょうし、観戦数が5試合、10試合と増えてくると、逆に自分が観戦経験ゼロの友達を誘う機会も増えてくるでしょう。また、スタジアムでの出会いや紹介で仲良くなる人も出来てくるかも知れません。そうした横の広がりというのは、ぜひ大事にしてください。
観戦仲間が増えれば、試合に対する新しい視点や意見に触れることもできます。そのうち、アウェイの試合も一緒に行こうという話になれば、遠征を兼ねた旅行も楽しめるようになります。すると、試合内容や結果だけでなく、行き帰りの道中の会話やトラブルさえ、楽しい思い出になります。

 

5 試合は前菜。正解のないトークを楽しもう!
ここまで読んだ方は、この意味もすでにお分かりかもしれません。
せっかく出来た観戦仲間。それが試合直前に集合して、試合が終わってすぐに解散では味気ないと思いませんか?
試合の時間だけでなく、試合前と試合後の時間も含めて、1日をどれだけ楽しみ、充実させられるか、というのがサッカー観戦の醍醐味です。そのためには、1人より2人、2人より3人のほうが楽しいですよね。
勝ったらみんなで喜んで、負けてもみんなでグチを言って、好き勝手なことを言い合って、妄想をふくらませて……それがあれば、チームが勝っても負けても引き分けでも、結局その1日が「楽しかったね」で終われます。そうなれば、もう観る側にとって“負け”はありません。海外のサッカーファンは、そんな楽しみ方をライフスタイルにしていますし、いつまでもサッカー観戦を続ける大事なポイントだと思います。
もちろん、試合後の会話で「正解」を求める必要はありません。自分と意見が違う人をねじ伏せようとするのはNGです。それぞれが感じたことを言い合ってワイワイ盛り上がるのが、一番濃くて、一番幸せな時間なのです。試合を「前菜」にするぐらいのつもりで、仲間との濃密なトークの時間を楽しみましょう!

 

【MYFCのここを観て!】

観戦者の腰が思わず浮いてしまうサッカーをしたい
龍岡流観戦術、いかがでしたか? 真面目な日本人は、サッカーに対しても、とかく難しく考えすぎたり、何かひとつの正解を求めたりしがちですが、もっと気楽に、自分なりの視点で楽しめば良いのでは、と提案してくれました。
そんな龍岡さんですが、昨年県内に引っ越してきて、やはり静岡はサッカー王国だなと感じることが多いそうです。
「自分が住むマンション脇の駐車場でボールを蹴っている子どもたちがいるのですが、その中に女の子もよくいて、むしろ女の子のほうが中心になって男子を仕切っていたりするんですよ。それは東京や横浜ではまず見ない光景なので、さすが静岡だなと(笑)」
それが静岡に来て最初に感じたカルチャーショック。MYFCの試合でも同様です。

「お客さんの目が非常に肥えていて、小手先のプレーじゃ沸かないよ、という感じがします。その分、しっかりと内容を見ながら一つ一つのプレーにリアクションしてくれるので、選手はごまかしが効きません。選手を厳しく鋭い目で育ててくれるという意味でも、歴史のあるヨーロッパとか南米とかに近い空気ですよね」

 

そんな環境の中で藤枝MYFCとしても、目の肥えた地元のファンをうならせるようなサッカーを目指しています。

「MYFCは、現在J3の下位にいますが、格上のチームに対しても引いて守って勝点を取りにいくのではなく、しっかり前に推進力を持って、攻めるときには全員が勢い良く飛び出していくようなサッカーを目指しています。たとえば相手からボールを奪った瞬間に、チーム全体が勢いを持ってゴール前まで迫っていくと、徐々にスタジアムに歓声があがり、観ている人たちも次第に腰が浮いて来ますよね。そこからゴールが決まると、興奮が最高潮になって、思わず立ち上がってしまう。その過程が、サッカー観戦で一番心躍るときだと思うので、そういう場面をできるだけ増やしたいと思っています」

MYFCが目指すのは、攻守の切り替えが非常に速い全員攻撃・全員守備のサッカー。
ボールを奪った後、一気にゴール目指して攻め上がるスピードや勢いも見どころ

 

その過程で、目の肥えたファンをもうならせるようなアイデアやコンビネーションを見せるのも、MYFCが目指すことのひとつ。前への激しい勢いと、考え抜かれた緻密なプレーの両面で、見る人が「だんだん腰を浮かせていく」サッカーをすることが龍岡さんの目標だそうです。スタジアムに来てMYFCの試合を観るときは、ぜひそのあたりも意識して観戦してください。

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